第10回サポーターズミーティング 開催レポート

REPORT

倉敷中央病院  がん看護専門看護師 平田佳子先生

人生の最期、自分が大切にしたいことを共有

2019年4月12日、対話型企画「サポーターズミーティング」第10回を開催、51名のサポーターが参加しました。

第10回のテーマは前回に引き続き「終末期」。倉敷中央病院  がん看護専門看護師 平田佳子先生に「人生の最終段階をどう過ごしたいかを考える~アドバンス・ケア・プランニング~」と題してレクチャーいただきました。

レクチャーでは、「“医学的な人間の身体に着目した医学的アプローチ”だけではなく、一人ひとりの人生に着目した“人間の生き方に着目した医療”を目指す方向に医療の在り方の見直しが進んでいる」と紹介。そのために、アドバンス・ケア・プランニング(=人生会議)が注目されており、自身が人生の最後に大切にしたいことは何かを事前に話し合っておくことが重要であると伝えました。ミニレクチャーの後、サポーターは3~4名のグループごとに、予後が1年という設定で「もしバナゲーム」に取り組みました。

今回は3名のプラチナサポーターがファシリテーターとしてテーブルに加わり、ゲームの進行を担当されました。一人ひとりの話に傾聴しながら、参加者同士をつないでくださいました。あるテーブルは全員、サポーターズミーティング初参加の方でしたが、心の底を打ち明け合い、閉会後は長年の友のようににこやかにお話しされているようすも見られました。
アンケート結果からは、エンディングノートをすでに書いておられる方、自身で終末期について考えているものの家族で共有することまでは至っていない方…参加された皆さんそれぞれ、大切にしたいことを知ってもらえる重要性を感じられたようすがうかがえました。「自分にぴったりのカードばかりを受け取ることはできなかったけどほかの方の話を聞くことができてとても参考になった」「多くの人の考え方、生き方に接することができる」などコメントが寄せられました。

もしバナゲーム

自身と大切な誰かとで「もしものための話し合い(=もしバナ)」をするきっかけを作るためのゲームです。一般社団法人Institute of Advance Care Planning(iACP)がCoda Allianceの許可を得て、翻訳・制作・出版しています。
詳しい情報は下記リンク先からご覧いただけます。
https://www.i-acp.org/game.html

グループ討議で出たご意見

●初めてこのようなゲームに参加した。ゲームと分かっていても引き込まれている自分がいて、大切なテーマだと感じた。

●予後が1年と決まっている設定だからこそ考え易かった。これがもっと短い予後となると、答える内容も変わると思う。

●他界した家族を思い、あれで良かったのか?もっと話をしておけば良かったと感じた。

●自分自身の親が急に亡くなり、お金のことや葬儀のことなど何も相談、準備ができておらず、大変だった。自分が親の年齢に近くなり、夫婦で考えないといけないと思い参加した。お金のことは大切。

●いい人生だったと周りに感謝し「ありがとう」と言って亡くなりたい。

●自分が亡くなる時の話を家族とするのは怖いが勇気をだして元気なうちに話をしようと思った。

●今までに様々な病気をして家族に迷惑をかけた。心配もかけた。そのときに手術や検査についての説明は家族だけにあって、本人に説明がなかった。自分自身で話を聞いて決めたい。