2024年春講演会 開催レポート

REPORT

2024年3月7日、認知症をテーマに「2024年春講演会」を開催しました。

講演「高齢者の脳と認知症について」では倉敷聖康病院 副院長で脳神経外科医の神原 啓和 先生がご登壇されました。
認知症は脳の病気で、主に大脳の機能が低下することで引き起こされる病気であることや、大脳が喜怒哀楽といった情動を制御するとともに、記憶、学習、思考、判断などの認知機能にかかわるため、これらに関する症状がでてくることを紹介。脳が年代を追って委縮していく様子をMRI画像で示され、それに伴い機能が低下していくことを説明いただきました。
日常生活が維持できているうちは認知症ではないことを伝えた上で、脳の老化を悪化させれる要因には、難聴、視力の低下、歯周病、喫煙があり、高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病の管理不足は認知症が進む原因になりうるとして、適切に受診することが必要と説明されました。

自分が認知症にならないための日常生活の心掛けとして
「新しいことに挑戦してみましょう。これはちょっとできないかなとあきらめることなくチャレンジすることが大切です」「趣味のある方はそれに熱中しましょう。そして生きがいを持ちましょう」「人と付き合うことも大切です。誰かとお話をすることはとても頭を使う作業です。他の人を気遣わなくてはなりませんし、時には人のために何かをしなくてはならなくなることもあります」
と会場に呼びかけました。

あわせて倉敷市の認知症初期集中支援チームで活動されている藤戸クリニック 医療統括師長 平尾 麻里先生から「認知症初期支援集中チームの介入について」と題して情報提供をされました。まずはチームの存在を知ってほしいこと、市内の高齢者支援センター(地域包括支援センター)や倉敷市の健康長寿課に相談窓口があることを紹介。地域で長く暮らせることを目指す「認知症初期支援集中チーム」をぜひ活用してほしいと呼びかけました。